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2023.07.31
2024.11.08
高級ブランドマイセン(meissen)の偽物に注意!マイセンのコピー品の見分け方について
この記事の目次
初めに
私たちブランド食器買取専門店リムーブ(reMOVE)では日々多くのブランド食器に触れています。
そこで得た経験や知識をもとに今回マイセンの注意すべき点を紹介しています。
そのため、本記事はあくまで弊社基準の一例となります。
偽物や模倣品であるかどうかはブランドホルダーであるマイセンのみが証明できるため、取り扱い店では断定することができません。
今回、少しでも安心したお買い物ができるよう要所をコラムとしてまとめましたが、この前提は忘れないで読んでいただければと思います。
マイセンの歴史
約300年前、ヨーロッパで初めて硬質磁器を生みだしたドイツの名窯「マイセン」。
17世紀のヨーロッパでが、まだ硬質磁器を作ることができませんでした。 中国の磁器や日本の伊万里がたいへんもてはやされ、何とか製造しようとしていました。 ようやく1709年、ザクセン王国アウグスト一世(強王)の命令で磁器製造の研究をしていた錬金術師のベドガーが、ヨーロッパで最初に硬質磁器の焼成に成功しました。 翌年に設立された、王国マイセン磁器製作所がマイセンの始まりとなります。 1720年以降、シノワズリを独特の様式に発展させた絵付師ヘロルトや白磁彫刻を多数製作した磁器彫刻家のケンドラーを迎え入れ、大きく発展しました。 初期から作られている伝統的な絵柄「ブルーオニオン」は有名で、斬新なデザインの「千一夜物語」シリーズなども人気を得ています。
マイセンのバックスタンプについて
マイセンのシンボルマークは二振りの剣を交差させたもので、「青い双剣」と呼ばれています。 年代によってマークは変化し、現在のマークは1934年頃から使用されています。 もちろん双剣マークは専門の絵付師の手描きです。 絵付がされている場合は、朱色でシリーズ番号とペインター番号などが書かれています。(上記画像参照) 近年のものは、カップの方には絵柄の番号がない場合もあるようです。 また、ペインターの個性的な文字やブルーオニオン等染付けタイプのものでは、文字が潰れたり、滲んでしまい見えにくい場合もあります。 画像引用:ユーロクラシクス|マイセン バックスタンプ 鑑定 (euroclassics-ginza.com)
ごく最近のものは、ブルーのマイセン双剣マークに近くに、小さな双剣マークが彫られています。
波の戯れのような白磁のものには、ヴァイス(白色)という文字が書かれています。 白磁の商品に絵付けをして、販売するのを防止するためです。 マイセンから白磁の状態で出しているので、これに絵付けして販売しているものはマイセン以外のペインターの方が後に絵付けした事を意味しています。 バックスタンプは下記画像のように年代によって大きく違ってきます。
画像引用:ドイツの高級陶磁器!マイセンの歴代マーク(バックスタンプ・サイン・刻印)のご紹介 – アンティークテーブルウェア (antique-tableware.com)
1720-1754年のロゴはアウグスト強王のシンボルであった「AR」という文字を用いています。
このマークはアウグスト強王が使用する作品にのみ使用することが許可され、それ以外に使用することは禁止されていました。 また1733年~1763年のロゴは双剣マークの間にドットが入れられたものも多く見られるようになりました。 現在でもこのドットマークの刻印は見ることが多いものになります。
2級品のスクラッチについて
マイセンには2級品があります。 スクラッチは、絵付けの色にムラがある、傷がある、黒点があるなど、何らかの理由でスクラッチキズを付けアウトレットとして販売された商品です。 特別価格で出荷されたものは、後日誤って正規価格で販売されることのないようスクラッチを入れて出荷します。 2級品は双剣マーク上に1本または2本のスクラッチがあり、2級品と判断できます。 またドイツでは2級品の商品は定価の2割引き程度で販売されています。 1990年代からスクラッチの位置が変わり、双剣マークの上ではなく少し離れたところに付けられるようになりました。 上の画像のように横にある線の上にスクラッチが入っていたりします。 またこちらの画像のように双剣マークでも線の上でもない場所に2本のスクラッチが入っていたりします。 パッと見たときに双剣マークにスクラッチがないからと言って安心せずに、双剣マークから少し離れたところも見てみましょう。 また、スクラッチも長さや濃さなどがそれぞれ異なるので中には薄くて分かりにくいものもあったります。 光に当て角度を変えながら注意深く見てみましょう。 私たちも今までたくさんのマイセンを取り扱ってきましたが、一度だけ上の画像のようにスクラッチが3本あるものがありました。 これは2級品よりも階級の低い3級品を意味します。 さらに調べていくと、ごく稀に双剣マーク上に「4本のスクラッチ」がある4級品もあるようです。 これは「社内販売品」という意味だそうです。 実際にはドイツのマイセンの本社では、3級品、4級品は両方とも級外品という扱いになっているそうです。 絵付け用に販売されていた白磁に、「HOBBY COLLECTION」と書かれているものがありましたが、現在は販売されていません。
マイセンの人気シリーズ
「ブルーオーキッド」
1977年ごろに考案された柄は優雅な自然がお手本となっています。 濃淡のコバルトブルーで描かれているのは蘭の花です。 絵付は現代マイセン最高のアーティストであるハインツ・ヴェルナー教授、フォームは同じくトップアーティストのルードヴィッヒ・ツェプナーです。 色合い、枝の上の細かい筆遣いなど絵画のように大胆に描かれているのが特徴です。蘭の花の持つ上品さが、手描きならではのタッチで表現されています。 日常使いはもちろんプレゼントにするのもおすすめです。
「波の戯れ」
今現在でも購入出来る波の戯れは、とてもシンプルなデザインの白磁のシリーズです。 水面にさざ波がたつように、波模様のレリーフが刻まれています。 シンプルなデザインのものは贈り物や結婚式の引き出物にもとても好まれ、21世紀のマイセンを代表するシリーズといえます。
「剣マーク」
マイセンのシンボルマークである双剣マークが中央に描かれたシンプルなデザインのシリーズです。 綺麗な白磁の上に一点一点手描きで書いていくブルーの双剣が特徴です。 シンプルだからこそ、無駄のない精練されたフォルムは和食器との相性もいいので、様々な雰囲気に合わせることができます。 ナチュラルなおうちカフェ風コーデも似合うので毎日使う普段使いから、贈り物にも人気の高いシリーズです。
「Bフォーム・Xフォーム」
マイセンの中でも特に豪華なBフォームとXフォームは、1844~1855年にかけてデザイナーのエルンスト・アウグスト・ロイテリッツ(Ernst August Leuteritz)によって考案されました。 マイセンの中でも頂点に君臨すると言われる豪華な光沢金、艶出し金をあしらった最高級のシリーズで、高級感溢れる豪華な装飾が特徴的です。 所々に金彩が施されていますが、この金彩はマイセンの秘蔵絵具である「グランツゴールド(光沢金)」を使っています。 ※グランツゴールド(光沢金)とは グランツゴールドとは、19世紀半ばに開発された磨き工程不要のマイセン秘蔵の絵具です。 窯から出した時点ですでに光沢のあるという何とも不思議な絵の具なのです。本物の金と比べると光沢がなくマットな感じに仕上がっています。
「アラビアンナイト/サマーナイト」
マイセンでは新しいデザイン開発のためのアーティストグループがあり、世界的有名な造形家ルードヴィッヒ・ツェプナーをリーダーに、意欲的、独創的な作品の開発に取り組んでいます。 とくにヴェルナー教授が絵付をした「アラビアンナイト」や「サマーナイト」は、現代マイセンらしい洒脱を感じさせるシリーズです。 シェークスピアの「真夏の夜の夢」をテーマにデザインされた「サマーナイト」は、その透明感と軽妙でカラフルな絵付がポイントです。 「花形口縁(グロッサーアウシュニッツ)」と呼ばれる口縁部を深く切り込んだ独特のシェイプは、ツェプナーが創案したものです。 アラビアンナイトは、中近東の神秘的な夢物語を彷彿させる「アラビアンナイト」をテーマにしたシリーズです。 華麗な絵付けと花形をしたシェイプが見事に調和した豪華な逸品です。 いずれもマイセンのコレクションとして新たなカテゴリーに加わった逸品となります。
「ブルーオニオン」
マイセンと言えば何と言っても「ブルーオニオン」 思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
ザクロ、竹、桃などの子孫繁栄や不老長寿を表す吉祥文様がモチーフになっている、マイセンでは1番有名で人気のシリーズと言っても過言ではないでしょう。
ブルーオニオンが誕生したのもマイセン窯の初期です。 1739年にクレッチマーがデザインし、中国の染め付けの技法を活かして焼き上げました。
「ブルーオニオン(青い玉ネギ模様)」とは言いつつ、タマネギ模様は実はタマネギでも球根でもなく、日本のザクロや桃を象徴的に表した、と知っていましたか?
当時ザクロを知らないヨーロッパ人には、ザクロの絵柄がタマネギに見えたようで、そのまま「ブルーオニオン」の名がつけられたと言われています。 発表当初はそこまで人気がなかったようですが、1800年代に入り人気の絵柄になりました。
現在世界中に約50種類のブルーオニオンが存在すると言われていますが、本家はマイセンになります。 マイセンの「ブルーオニオン」には器の表にもシンボルマークの双剣マークが描かれていますが、これはほかの窯の「ブルーオニオン」のコピーに対し、本物の証として1885年ごろから入れるようになりました。
ザクロらしき木の幹の根元に描かれた双剣マークが、マイセン窯で作られたことを証明しています。 マイセンが「ブルーオニオン」発表してから約280年もの歴史を生き抜き、今日も丹念に手書きされ、美しいコバルトブルーで仕上げられています。
ちなみ世界三大ブルーオニオンは、「マイセン」、ドイツの「フッチェンロイター」、チェコの「カールスバード」となります。
日本では「ブルーダニューブ」という陶磁器ブランドがブルーオニオンを出しています。 マイセンのブルーオニオンはアイテムの多さも魅力的です。
マイセンを中古で買うときはここを見よう
昨今、yahooオークションやAmazon、メルカリなどのフリマアプリの普及で中古品を手にしやすくなりました。
しかし、中古品の中には残念ながら偽物が混じっている可能性があり、せっかく買ったのに残念な気持ちになることもある可能性があります。
特にハイブランドのバッグや高級な腕時計、これらに関しては流通量が多い分コピー品や偽物や贋作も多くなり真贋が非常に難しくなっています。
食器に関しても安心はできません。
バッグや時計程コピー品や模倣品が流通しているわけではありませんが、高級ブランドの食器や磁器、フィギュリンなども偽物や贋作が出ているのは事実です。
そんな中で特にマイセンは、偽物やコピー品かどうか見極めるのがとても難しいと言われています。
そこで今回は私たちが真贋の際に基準にしていることを書きますので、公式サイトや公式ショップ以外で購入する際に少しでも役に立ててもらえたらと思います。
ただし近年の偽物は本物のロゴマークも上手く偽造していたりするので、見分けるのが非常に大変です。
あくまで弊社基準の一例となりますので、参考程度に読んでもらえたらありがたいです。
またこれはブルーオニオンでも波の戯れでも当てはまることなので、全てのマイセンを見るうえで参考にしてみてください。
バックスタンプを見る(双剣マークが付いているかどうか)
一番の重要ポイントとなります。
先ほども書いたように、年代によってバックスタンプは違いますが、1722年以降のマイセンには一つひとつ手で描いた双剣マークが必ずついています。
マークがないものは、まず間違いなく偽物と判断できるポイントになると思います。(※1721年以前の古いマイセンには双剣マークがないものもありますが、今現在市場にはほとんど出回っていません。)
今の双剣マークと違うからと思って模倣品とは限らないので過去のバックスタンプをしっかりと把握し、いつの年代のものかも確認してみましょう。
またバックスタンプは全て手描きのためペインターによって若干異なってきます。
そこの判断は少し難しいとは思いますが、プリントと違い全く同じではないためそこも頭に入れてバックスタンプを見ていきましょう。
「双剣マーク風」のマークがあったり、全く存在しないマークもあったりするので、必ず確認していきましょう。 双剣マークは、手書きで書かれた後に上から材料が塗られています。 磁器を焼き上げた後、その上からマークを書くことはありません。 コピー品などには明らかに焼いた後、上からマークを書いたのが分かるような商品も多数見られるため注意が必要です。
バックスタンプは必ず手描きです。プリントはないのです。 パット見似ていますが、上の画像のようにプリントの刻印は偽物の可能性が高いので、ご注意ください。 画像引用:ドイツ製のマイセン(MEISSEN)を買うなら偽物には気をつけろ!! | 古き旅 (senoo-shouji.com)
また、上記画像のように双剣のマークではなく円や四角で囲まれて横文字で「MEISSEN」と書いてある商品は、マイセンにはありません。
偽物と判断できるポイントになりますので、覚えておくといいでしょう。 もっとひどいものは「MEISSEN」のつづりさえも間違っていることがあるようです。
形やデザインを見る
一見、デザインや絵柄はマイセンにあるものと同様でもこの形のアイテムはない、といったな例もあります。
例えば、「インドの華」のカップ&ソーサー、本物だと思って調べたら存在しないカップの形だったなど、調べると分かる情報もあるので、初めから本物だと信じず常に疑いの目で見るようにして確認しましょう。
上の画像のように絵柄がずれている、歪んでいるなど全体のデザインをよく見ることが重要です。
コピー品は明らかにプリントのような絵柄であったり接合部分が雑だったり絵柄全体がずれていたりします。
絵柄の番号、ペインター番号を見る
現在の絵付されているマイセンは、絵柄の番号やペインター番号が朱色で書かれています。 基本的には朱色で書かれていますが、シリーズや限定品などにはブルーや白、金彩などで書かれている場合もあります。 双剣マークのように統一されたものではないため判断しにくいですが、絵柄とペインター番号があることで本物の可能性は高くなります。
作りが雑でないか、本物の画像と見比べる
偽物は作りが雑になることが多いです。 例えば絵付けの際の色ムラがあったり、接着面の接着剤がはみ出していたり、カップとソーサーにがたつきがある、絵柄が左右対称でなく変な感じがするなど、雑な仕上げになっています。 また、今はインターネットで色々調べることができます。不安に思ったらとくかく検索し、本物の画像と比べることも大事です。 いろいろな角度の画像がありますので、比較してみましょう。
まとめ
洋食器が好きな方は一度はマイセンを手にしたいものです。 マイセンは中古市場でも高値で取り引きされる商品もありますが、新品で買うよりは安く手に入れることができます。
買ったものが偽物だった、という悲しいことがないように少しでも参考になれば幸いです。 またマイセンも高値で売ることもできます。
もう使わなくなってしまった食器や整理で置き場に困った花瓶やフィギュリンなど、買取店に出すことで高く買ってもらえます。
売る際に少しでも高値で買取してもらいたい場合、店舗選びも重要です。
LINE査定など事前に金額が分かるサービスを利用したり、なんでも買取しているショップではなく食器を専門に買取している専門店に売ることをおすすめします。
専門店だと価値も分かってもらえるので叩き買いされることは少ないはずです。
リムーブは食器買取専門店と名前の通り、洋食器をメインに買取しています。 マイセンは高価買取していますので、売却を考えているマイセンがあればぜひ一度ご相談ください。 LINEやメールでも相談できますので、お気軽にお問い合わせください。
マイセン買取なリムーブ(reMOVE)
リムーブのコラム執筆・監修に従事している中村です。
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